このマンガが個人的にアツかった2011
今年も終わりつつありますね。みなさまご機嫌いかがでしょうか。
わたくしのぞみユニの2011年は「地下工作をしている間に1年が終わっていた」といった趣でした。来年はいいことあるといいですね。
年末の風物詩といえば宝島社さんの「このマンガがすごい!」だったりするわけですが、例に漏れずわたしもいちオタクとして触発されてしまってランキングを作成するなどしてみたのでした。
とはいえわたくしの漫画オタクスキルポイントの配分としましては読む方も描く方も中途半端でして、特に「ジャンプは欠かさずチェックしたぜ!」とか「『すごい!』の上位なんかほとんど読んだやつだぜ!」とかいうこともなく、ただ個人的な趣味の範囲内での記録となっております。選考にあたってブクログの2011年中の記録を参照していますが、これを見ていただいても食指のきまぐれぶりがおわかりいただけるかもしれません。
また、そのような個人的な読書記録をそのまま載っけるのも味気ないので、その作品で最もアツかったメガネキャラ「MVM…Most Valuable メガネ」も選出しておき、イラストも付けておきました。夜通しオールザッツ漫才を見ながら一生懸命描きました。
メガネキャラ自体のランキングではないですよ。念のため。
ではでは簡潔にまとまらず長くなってしまいましたが、適当にお楽しみください。
このマンガが個人的にアツかった2011
※MVM…Most Valuable メガネ
1. 弱虫ペダル(渡辺航)
- 作者: 渡辺航
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2011/12/08
- メディア: コミック
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世間的には特に今年発掘された漫画というわけではないのですが、わたしが一気読みする勢いでハマッたのが今年だったのでこうなりました。そういう意図のランキングです。
あらすじやその魅力に関してもほうぼうで語られている通りだと思うのでサクッといきますが、熱くて濃ゆ〜い高校自転車競技漫画です。
ザクザクと荒々しくも力強い描線にグイグイ引っ張られながらのガッツリ熱血スポ根は快感そのものですし、ケレン味たっぷりのキャラクターがよりどりみどりなので、推しキャラをアレする的な楽しみしろも大いにありましょう。わたしですか?
田所先輩推しです(お姫様抱っこされたいキャラNo.1)。
また今年から広島のチーム(呉南高校)がライバルチームとして登場したので、広島出身者としては大変アツいものがありました。どヒールのど外道ですが。このタイミングで台頭してくるからにはそんじょそこらの噛ませ犬としてリングアウトするわけにはいかなさそうなので、今後に期待です。
2. クレムリン(カレー沢薫)
- 作者: カレー沢薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/11/22
- メディア: コミック
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モーニングとモーニング・ツー掲載の猫ちゃん漫画界の極北。捨てられた血統書付きロシアンブルー3匹……3匹とも名前は「関羽」と、彼らを拾った大学生ニート却津山(きゃっつやま/キャッツ)がションボリしたり開き直ったりしている漫画です。
ドライで閉塞感漂う空間で横行する刹那感溢れるギャグは波長が合えばべったりハマるはずです。ハマりました。モーニング・ツー掲載分は月遅れで無料配信されているので試しにどうですか。
漫画自体の面白さもともかく、場外ではテコ入れで幼なじみのニャン子ちゃんが突然美少女になったり、モーニング本誌の連載枠をめぐって壮絶なドラマがあったり、東京都写真美術館とコラボ企画してみたり(自分も展示を見に行こうとしましたが閉館日で半泣きに)、コラム連載が始まったりで単行本派にもコンスタントに話題を提供してくださるサービス精神がアツかったです。大切なんですねこういうの。
3. アオイホノオ(島本和彦)
アオイホノオ 7 (ゲッサン少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)
- 作者: 島本和彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/11/11
- メディア: コミック
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「燃えペン/吼えペン」炎尾燃先生の大学生時代、という体での島本先生の半自伝的作品、時々ガイナックスはじめて物語。
漫画家志望の美大生が主人公ということでわたくしもかなり他人事ではない(そもそもこんなに長々と漫画読み風な記事をしたためている場合でもない)ので、「わたしももうSA社から連絡来ないな」などと相変わらずニヤニヤハラハラさせていただいております。「自分こそホノオくんの気持ちや行動がわかる!!」という自信満々な読み方と、作中のホノオくんの妙に穿った漫画の読み方とがすっぽり重なってしまうこの事実。今日というこの時にこの作品を執筆してくださっている島本先生に感謝です。
【MVM】庵野秀明
4. 鈴木先生(武富健治)
- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2011/04/28
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完結です。ありがとうございました。ありがとうございます。壮絶な最終巻でした。
ドラマもよい出来でよかったです。
全然内容に突っ込めた話ができていませんが、最終11巻の読後感がただひたすら「賢者タイムだった」としか言いようがないので「すごかったです」以外のボキャブラリーがないのです。すみません。アツい漫画です。
推しキャラは演劇部の水木先輩です。
5. ミッドナイト・ウォーク(榎屋克優)
- 作者: 榎屋克優
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: コミック
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「日々ロック」(こちらは未読なのですが)の榎屋克優先生による京都精華大生時代の作品集。「アオイホノオ」に続いて他人事でない枠ですね。
「若気の至り」というとけなしてる感あって失礼な感じですが、この雄叫び上げながら全裸で体当たりを食らったかのような衝撃は「若さ、青臭さにしてやられた」としか形容できない心地よさ、そして心の奥底がゾクゾクするアレです。
ホノオくんよろしく自前の漫画論もこまっしゃくれてきた頃合いに読むと、それはそれは頭を鈍器でぶん殴られたような気持ちになりました。これがロックというものなのでしょうか。ゲスゲスゲース!
【読み切り部門】放課後職員室事変(南野三ッ若)
ジャンプSQ. Comic Selection Vol.3 (ジャンプSQ. Comic Selection) (ジャンプコミックス)
- 作者: ジャンプSQ.編集部
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/02/04
- メディア: コミック
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ジャンプSQ.19冬号に掲載されていたはずなのですが、該当号をどこに仕舞ってしまったのか記事書こうとして探したところ出てきません。どういうことなの……。とりあえず新人賞受賞作品ということで、受賞時の結果発表ページから雰囲気を察してください。
ざっくり説明すると「学校の先生達が各々上手いこと言いながらドンパチやる」という内容でして、新人さん(しかも15歳)のデビュー作ながら非常に好みどツボだったのですが、現物が手元にないのでその言い回しの例すら挙げることができないという超不完全燃焼。レビューとしては0点です。本当に面白かったのでわざわざ挙げたはずなのですが! がー! というわけで、先程Amazonで再録本を注文したところなのでした。
15歳というとわたしも勉強が面白すぎてテンションがおかしかった時期でして、なんだかその頃を思い出して勝手に共感してしまいます。わたしもこうなりたかった! とまで書いて、「高校野球を観戦中過ぎ去りし青春に思いを馳せる元高校球児のオッサン」という像が浮かんでしまってやや危機感を感じるはめに。片足突っ込んどるぞ!!
南野三ッ若先生、純粋にいちファンとして勝手に応援しています。
SQ.新人賞といえば、同期受賞者が自分以外全員デビューしているのに他人のことを応援している場合かというツッコミはナシです。
【おまけ・絶版部門】ストッパー毒島(ハロルド作石)
- 作者: ハロルド作石
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/02
- メディア: コミック
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2011年掲載・発行どころか絶版中なのにムリヤリかつ今さら読んだよ、という縛りナシでのベストです。読みました。
読もう!! と思い立ったきっかけがこの記事を読んだせいでした。たまらないんですよ!! この!! プロ野球の酸いも甘いも知って描いたようなあるある感が!!
以前数年間Jリーグ、プロ野球とシーズンを通して割と丁寧に追っかけていた時期があり、プロスポーツものの漫画が好きだったりします。
プロものはですね、
- 実はできる選手が理不尽に出場機会に恵まれず埋もっていてもリアル(大人の事情もあるからね)
- パッとしなかった選手が突然ブレイクしてもリアル(プロな時点で素質がある程度保証されているからね)
- ここで決めて欲しいという所でマジで決めてくれるのも比較的リアル(プロだからね)
- それらが集まってイマイチだったチームが突然1シーズン輝くのもわりとリアル(ちょくちょく実際にあるよね)
等々、「プロが常人には理解しがたいレベルで拮抗している世界だし何があってもわりとありえそう」、つまり「こいつらアマチュア(学生)なのに?」とヤボなツッコミをせずともニコニコ読めるステキジャンルなのです。
すごく能天気な事を書いてしまって「簡単そうに言うなや!!」とも言われてしまいそうですが、ストッパー毒島はそんな感じの漫画だったように思います。投げっぱなしの伏線、都合よく出るホームランも細かいことは気にするな! アツい展開ならよし! という。決して雑な作りというわけではないですが。
とにかく夢中でウヒョーってなりながら読めてとても楽しいひとときでした。ごちそうさまでした。
講談社さんは早く文庫で再販しなさい。